教師不足と闘う、フランスの学校。混沌の新学年スタート!

Life with kids

Bonjour!

9月、フランスは新学年がスタートしました。

私の息子も無事に幼稚園の年長クラスに。発達障害があるため、週に3日は特別支援クラスのある精神科に通いながら、です。

フランスの学年スタートの様子

フランスの公立幼稚園は、初日直前に登園時間の連絡が外に貼り出されるくらいで、事前情報が皆無に等しいので、大体、数日前から親同士 “何時に行くの?”とか、連絡を取り合い何となくよくわからないまま(笑)、とりあえず指定時間目掛けてむかいます。

事前情報がしっかりした日本からは随分かけ離れていますが、意外と当日行けばどうにかなる感じ、です。

待てど待てど開かない門

しかし、とりあえず時間通り行ってみたものの登園時間になっても一向に門が開かない…。

他の保護者の方々と延々と外で待っていると、結局、クラスの準備が間に合わなかった、という理由でした。

というのも、最近のパリでは、“教師不足によるクラス閉鎖”が相次いでいて、学校側もクラス編成で四苦八苦なのです。

フランス深刻な教師不足

この教師不足問題、フランスでは、2019年あたりから問題になっており、コロナでさらに加速しました。主な要因は2つと言われています。

①給与の低さ

OECDのデータによると、フランスの教員の平均給与は、OECD平均、EU25カ国の平均からも下回っています。

十分な学歴が必要とされるにも関わらず、仕事の負担と給与が見合わない、と、若い世代が教職を避ける原因になっています。特にパリを含むイル=ド=フランス地域圏で不足が顕著です。

OECD調査 小学校教員の平均実給与と法定最低・最高給与比較(2024年)

②労働環境の悪化

コロナ禍での対応の混乱や、授業がオンラインと対面のハイブリッド形式になるなど、労働環境が悪化したことも、教員の士気を低下させてるとか。

2022年新学期には、小中高で約4,000人もの教員が不足していると発表されました。

いま、契約教員の増加など、応急対策が取られていますが、根本的な解決には至っておらず、教員不足は依然として深刻な状況が続いています。

年小・中・長の、” すし詰め混合クラス ” 成立!

こんな社会情勢を受け、幼稚園と私たち親の必死な署名活動も叶わず、1クラス閉鎖になりました。

そして、息子の新クラスはというと、

担任の先生とアシスタントの方2名で、総勢28人の年小・中・長生徒、混合クラスを見ることに。教室は完全オーバーキャパで、すし詰め状態。まるで、動物園に送り込まれた感じです…

うちの息子は発達障害なので、できれば先生に少し気をつけて見ていてもらいたいものの、必死で動物園クラスを回す先生の姿に、なかなか厳しいな、と不安しかないスタートでした。

混乱から1週間

そんな混乱から1週間。

幼稚園の必死の抗議が通ったのか1クラス追加が確定!ようやく、24人の年中・年長の混合クラスが新たに誕生し、みんな一安心。。

この教師不足問題は、私たち親もリアルに感じる本当に深刻な問題です。

なんと、とあるパリ公立小学校は、1年生4年生の、混合クラスが出来上がっています。。

“教師”という、かつては社会的地位が高かった職業。今一度、社会的地位が見直され、給与や環境が見直されることを、願うばかりです。