Bonjour!
世界中で「美食の国」として知られるフランス。渡仏して驚いたのは、フランス人の並々ならぬ食への愛と探求心でした。まさにそれは筋金入りです!
一体どうしてこんなに食にこだわるんだろう?と長年疑問に感じていましたが、息子の幼稚園生活を通して、その秘密が幼少期からの食育にあると気づいたんです。
今日は、そんなフランス流の食育を、幼少期に焦点を当ててご紹介しますね。
幼少期から始まる徹底した食育
フランスでは「食は文化」という考え方が国全体にしっかり根付いていて、その文化を次の世代に引き継ぐことが大切にされています。
そこで食育は、主に以下の3つの要素を幼い頃から育むことに重点を置いています。
1. 味覚
2. 質の高い食材
3. 食事という社交の場
具体的に、どんな風に行われているのか、幼稚園の給食を例に見ていきましょう。
息子が通う幼稚園では、3歳児から前菜、メイン、デザート、パンといったフルコース形式の給食が出てきます。この形式こそ、フランスの食文化のベースです。
ある日の献立には、キュウリとフェタチーズのサラダ (前菜)、タラのサフランソースがけ またはオムレツ (メイン)、3種の野菜、そしてリンゴのタルト(デザート) が並んでいました。
日本では珍しいサフランが登場したり、日替わりでさまざまな種類のチーズが出たりと、幼い頃から多様な味を体験できるよう工夫されています。
また、給食に使われる食材もこだわりが満載。有機農産物や地元産、持続可能な漁業で獲れた魚など、品質や環境に配慮されたものが積極的に使われ、その品質表示もしっかりと記載されています。
食事は「楽しい社交の場」
日本の給食では、子どもたちが配膳を担当することで協調性や食べ物の尊さを学びますよね。
フランスの給食はというと、配膳は食堂担当の大人が行い、子どもたちはいくつかのグループに分かれて、食堂で食事をします。
そして、食事の時間は、子どもたちが友人との会話を楽しむ「社交の場」として捉えられています。
昼食を自宅で取る生徒もいるので、週末に学校の食堂を無料開放し、給食の無料体験ができるイベントが開催されることも。
まさに、子どもたちが “皆で食べる楽しさ” を学ぶ場が、皆に平等にあるんです。
個々の事情を尊重した給食
フランスは多国籍国家なので、給食のメニューも個人の事情がしっかりと尊重されています。
基本的にはみんな同じメニューを食べますが、アレルギーや宗教上の理由、あるいは子どもがどうしても食べられない場合のために、事前申請で代替メニューを選べるようになっています。
子どもの好き嫌いは大らかに、長い目で見守る
日本では給食を食べきるまで居残り、なんてこともありますよね?(今もあるんでしょうか?)
フランスでは、そういった居残り給食はまずありません。
「無理強いせず、少しずつ多様な味に慣れさせる」というスタンスで、子どもの好き嫌いは大らかに、わりと長い目で見守られます。
何より、「みんなで楽しく食事をする喜び」を学ぶことが幼少期から大切にされているのです。
まとめ
日本の食育が、配膳を通じた協調性や責任感を学んだり、食べ物の尊さを学ぶことに重きを置いているのに対し、フランスの食育は、多彩な食材で味覚を育み、「食事の時間」そのものを楽しむことに重点を置いているように感じます。
確かにフランス人の食事時間は大人になっても長め。忙しくて自分のデスクでサンドイッチを食べながら仕事する、なんて光景はそうそう目にしません。
天気のいい日はテラスで楽しく同僚たちとランチをしたり、食事時間をしっかり楽しみます。
我が家では週末が近づくと、「週末、何食べる?」というのが夫婦の定番会話です(笑)!
令和の日本の食育もいろんな変化をしているのでしょうか?今回は幼少期編でしたが、また中高編など、食育についてご紹介できればと思っています。
Merci!