Life with kids – 息子と発達障害

Life with kids

Bonjour !

パリ在住ワーキングママ ayaです。

今日は私の息子(通称Tao)の発達障害について、私たち夫婦と息子が、この約2年間で学んだことをお伝えしたいと思います

2才ころから感じていた違和感

Taoは現在4歳で発達障害があります。

彼が2歳のころ、既に何か違和感は感じていました

例えば、毎日、飽きもせず車を1列に整然と並べて遊ぶ(規則的に並べるのは、発達障害の子どもに見られる傾向だそう)。明らかに他の子より言語レベルが低い。保育園へ迎えにいくと、大体1人で遊んでいる。とにかく音に敏感で寝つきが悪い。

もともと日・英・仏語で育ってきたので、言語の遅れは当然かな?と思っていましたが、周りの2歳児と比べて何かおかしい、と感じていました。

そして、幼稚園入園1ヶ月後の、2歳10ヶ月のころ、先生から個別面談の案内がありました。

クラスについていけない

フランスでは幼稚園年少から皆で子ども向け映画館へ行くアクティビティがあります。

Taoはシネマの間、騒ぎ出し、見かねた先生は彼を抱えて外へ連れ出した、とか。クラスでの様々な自由工作や音楽のアトリエの時間も全く理解ができていない、と先生は完全に匙を投げていました。

その後、子ども向け精神科の受診を提案され、精神科や、言語障害支援の施設を探すことに。

パリの精神科を受診

パリにはCMP (Centre médico-psychologique “医療心理センター”)と呼ばれる、パリの精神科大学病院に付属するセンターがあります。そこは社会保障で完全カバーされるので、無料で精神科を受診できます。

ただ、幼稚園の紹介状はあっても、アポイントは数ヶ月先まで埋まっているので、1日何10回も電話をかけ、ようやく、アポイントを取ることができました。

「発達障害」の通知

様々な検査やカウンセリングを経て、ようやく、彼に発達障害があることが分かりました。発達障害とはいえ、様々なタイプがあ詳細まではまだ検査結果が出ていませんが、フランスで障害のある子どもを育てていけるだろうか、という漠然とした不安感でいっぱいになることもありました。

ただ、精神科の先生からは、「今はまだ小さいので年齢的なこともあって障害が見えづらいです。ただ、学齢が上がるとともに障害が明らかに見えるようになってきます。少しでも早いうちから彼のサポートをしてあげることで、Taoちゃんの長い人生にとって大きな助けになるでしょう。」と言われました。

とにかく、前向きに!息子の日々の成長をしっかりと見届けながらサポートをしよう、と夫婦で誓いました。

精神科医に言われた「母と子の関係」

フランスでは、発達障害の原因の多くが、家庭環境、特に母と子どもの関係にある、と考えられているそうです。私と息子の関係、私がどのような家庭で育ってきたのかを確認する長いカウンセリングがありました。

私が外国人であるということもあり、精神科医は、私が子育てで孤独になっていないか、何度か聞きました。よくよく思い返せば、彼が幼稚園に入園するまでは、主人が転職をした時期で、私ひとりで子育てをする時間が多かったのです。保育園や仕事以外で息子のそばを離れたのは、片手で数えるほどしかなかったと思います。寝つきが悪いので、就寝時も毎日添い寝をしていました。

日本の一般的な昭和家庭で育ったので、(母親とはこういうものなのだ・・)と思っていた私に、先生は「お子さんと距離をおいてください。それが彼がコンフォートゾーン(母という絶対的安全地帯)から、一歩外に足をふみ出し、自分の興味を広げる手助けになりますから」と言われました。まさに寝耳に水。

また、「お母さんが彼の行動を引っ張りすぎないでください。(彼が自分で世界を広げられるよう)傍観してあげてください」と強く言われました。そんなに介入しているつもりはなかったんだけど、客観的には、良かれと思って手を差し伸べていた行動が、彼の自立心を狭めてしまっていたようです。ショック!

デジタル時代と子どもの成長 – 我が家のIpad禁止令

そして初期から精神科医に「今すぐやめなさい」と言われたのが、Ipadを与えることでした。夫婦共働きで、パリ郊外に住む両親も高齢なので預けることもなかなかできず、週末はIpadを与えてしまうことがよくありました。

精神科医によると、Ipadでの動画再生は自分の興味で動画を選択でき、興味のある関連動画しか表示されなくなるので、どうしても自分のコンフォートゾーン(安全地帯)に狭くこもっていってしまう。と言われていました。テレビについては、「一緒に会話をしながら見るのはいいだろう」と言われていました。

Ipadを完全に隠し、彼がぐずり始めると、公園へ連れていったり、一緒にお菓子を作ったり、絵を描いたり、するように努めました。

デジタル時代に生きる共働き核家族にとってなかなか大変ではありますが、このIpad禁止令によって、Taoの口から明らかに積極的に言葉が出るようになりました。

3歳の夏、ひとり寝デビュー

もうひとつ、精神科医に強く言われたのがTaoを1人で寝かせるということ。

一般的にフランスでは、子どもの自立と親自身の時間確保のため、早くから子どもを自分の部屋でひとりで寝かせます。寝つきが悪いTaoが夜泣きすると近所迷惑になる、と思い、今まで私は常に添い寝をしていました。もちろん私は慢性的睡眠不足と疲労感がありました。

しかし「今すぐ、いや、今夜からでもはじめてください!」と精神科医に言われたことを思い出し、思い切って、彼を別の部屋で寝かせることに。

内心、(夜泣きが止まず、結局うまくいかないだろうな・・・。)と思っていました。しかし、あら、不思議・・・。初めの2週間は夜中に起きては私たちの部屋にきていた息子が、1ヶ月もすると自分の部屋で寝るようになりました。しかも私が添い寝するよりずっとスヤスヤと!!

もちろん、今でも時々夜中に起きてくることがあります。

しかし、その度に心を鬼にして「お父さんとお母さんも自分のお布団でしっかりねんねするよ。Taoちゃんも自分のお布団でしっかりねんねすると、明日みんな元気がいっぱいだよ。」と言って聞かせました。私たちの言葉を復唱し自分を納得させようとしながら、後ろ髪ひかれまくりで自分の部屋へ戻る息子。

それでもどうしてもぐずるときは、Taoが自分のベッドで寝付くまで横に座って見届けてあげる。一貫して、彼が自分のベッドで寝るよう、仕向けました。

こうして彼は自分で寝起きをすることに成功しました。

たくさんの要因があると思うけど、これは彼の成長にとてもいい効果があったと思います。また、眠れるようになったことで私自身の疲労もへり、余裕を持って彼に接することができるようになりました。

3歳の冬、急成長した彼の言語能力

精神科受診がはじまり3ヶ月もすると、彼の言語能力の成長が著しく見えはじめました。

  • 「自分の母国語」を認識する

ある日、たまたま脳外科医である主人の友人にTaoの話をした時、彼女は「Taoちゃんは日・仏・英のなかで自分の母国語をまだ探せていないのでは?」と言ました。

それもそのはず。私はTaoと日本語。私と主人は英語。主人とTaoは仏語。幼稚園では仏語とはいえ、3言語が頭に入ってくるTaoにとって何が母国語なのか、わからなくなっていたのかもしれません。

そういうわけで、私は彼と仏語で話すことにしました。そして夫婦間も極力仏語に。すると、彼の仏語能力が急スピードで発達。まさに彼が「母国語」を見つけた時、だったのかもしれません。

  • 間違っても修正しない

また、精神科医からは彼が言葉を間違えても修正しないよう、口を酸っぱくして言われました。

主人は母国語が仏語なので、どうしてもTaoの文法が間違っていると、手を出さずにいれなくなります。しかし細かい指摘が彼の自発性を抑制してしまうので、Taoを指摘する代わりに、夫や私が正しい言い回しをなんとなく連呼するようにしました。

  • 言語のストラクチャーが育った、日本語のシャワー

夏のバカンス後、精神科の先生が目を丸くして「Tao、夏の間に何があった?!とても話せるようになったね!」と驚いていました。

これは科学的証明もないので、実体験からしか言えませんが、日本の実家で彼の従兄弟たち(6歳〜18歳)、祖父母に囲まれて過ごした約2週間。そのあと彼の言語は急成長しました。

恐らく、従兄弟の子どもたちや祖父母のもと、日本語のシャワーを浴びまくったのが、「言語」ということそのもののストラクチャーを育てる刺激になったのかもしれません。

カウンセリング半年後のいま

精神科医との個別カウンセリング、発達障害の子どもたちと過ごす特別学級、さまざまなカリキュラムを経験し、この半年間で、彼の言語能力と自立心は大きく成長をしました。

まだまだ他人との距離感がうまく取れなかったり、片付けがうまくできなかったり、発達障害+4歳という年齢的なものもありますが、日々成長を遂げています。

長くなってしまいましたが、これからも彼の発達の過程をお伝えしていければと思います。同じく障害に悩む親御様がいらっしゃいましたら、ともに、頑張りすぎず、頑張りましょう!

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